回路計算の定理を使って電圧や電流を測定する

電圧の測定

電気回路は、乾電池と豆電球のような簡単な接続から、高精度センサーなどの複雑な回路まで様々です。普段使用しているICも中身は非常に複雑です。そこで、今回の講座では、キルヒホッフの法則に続く、回路計算の定理について解説していきたいと思います。オームの法則を応用していますので、難しくはないと思います。

分圧と分流

分圧という言葉は、電圧を分けることです。分流は電流を分けることです。これを応用した回路は、ものすごくたくさんあります。特に、トランジスタとか、FET、オペアンプなど、多くの増幅対象となる信号の入力段にこの回路を見ることができます。

分圧

まずは、分圧の考え方を見ていきましょう。図1の回路は、電圧源V1と抵抗R1、R2が直列につながっています。それぞれの抵抗にかかる電圧をV1、V2とした場合の電圧の算出方法が図2の式になります。

図1

図1:分圧の考え方

これは、電圧源から抵抗R1とR2の合成抵抗による抵抗値に起因する電流Iが流れ、抵抗R1で電流Iによる電圧降下が発生します。それを式で表したのが、図2の式になります。

図2

図2:分圧の計算式

全体の抵抗値と全体の電流から、該当する抵抗での電圧や電流を算出するのが、分圧という考え方です。動画1では、図3のようにR1およびR2に470オームの固定抵抗を使った回路の電圧を測定しています。R1とR2の間で、電圧が半分になっていることがわかります。

図3

図3 固定抵抗を使用した分圧の測定回路

また、図4のように10Kの可変抵抗を使用して、電圧の変化の様子も見ていただきました。可変抵抗がちょうど10Kの時、電圧が半分になるのがわかると思います。可変抵抗が10Kオームに近づくほど、電圧が低下していきます。

図4

図4:可変抵抗を使用した分圧の測定回路

分流

次に、分流の考え方を見ていきましょう。図5の回路は、電圧源V1と抵抗RSがつながり、その先が抵抗R1、R2と並列につながっています。それぞれの抵抗に流れる電流をI1、I2とした場合の電流値の算出方法が図6の式になります。

図5

図5:分流の考え方

これは、電圧源から電流Isが流れ、抵抗R1とR2の合成抵抗による抵抗値に起因する電流Isが流れ、キルヒホッフの法則により抵抗R1と抵抗R2で電流が分かれます。その時、それぞれの抵抗値に流れる電流を式で表したのが、図6の式になります。

図6

図6:分流の計算式

電流の測定

動画2では、図5の回路を図7および図8のように変形して、実際に流れている電流値を測定します。図7は、R1に流れる電流を測定するための接続方法です。図8は、R2に流れる電流を測定するための接続方法です。先に計算してから、測って見ましょう。「計算して確かめよう」では、R1およびR2に流れる電流の求め方を展開しています。

図7

図7:R1の電流測定回路

図8

図8:R2の電流測定回路

RsとR1には、470オーム、R2は1Kオームを使用します。ADALM1000の設定を行うのに、ALICE Meter Sourceツールを使用します。使い方は、↑の動画で確認してください。

電圧源として、ADALM1000のCHAに5Vを出力する設定にして、CHBを0Vの設定にします。

計算結果では、理想的な条件として、Rsに流れる電流は、6.33mAです。R1(470オーム)には4.3mA、R2(1Kオーム)には2.02mAです。合計は6.32mAです。実測値ではどうでしたか?

少しずれてるかもしれませんが、これは誤差というものです。抵抗値も±5%精度のものをの使用していますので、実際には446.5オームから、493.5オームまでの47オーム分の開きがあります。電圧もぴったり5Vというわけにもいかず、5.08Vとか4.98Vなど振れ幅があります。これこそが、アクティブ・ラーニングなのです。理論と実際をどんどん体験していきましょう。

誤差について

誤差は、実製品上、不可避です。使用している抵抗値も、公称と必ずしも同一ではないことがあります。また、電圧もADALM1000を使って電圧を流していますが、誤差も含まれるため、厳密に計算値が一致するわけではありません。

まとめ

全体の抵抗値と全体の電流から、該当する抵抗での電圧や電流を算出するのが、分圧という考え方です。今回の講座は、以下をベースに作成いたしました。