ソラコムのIoT Technology Conferenceへ行ってきた


ソラコムはご存じですよね?そう、IoT向けのSIMを提供している通信会社です。ソラコムの事業や概要について知りたい方はこちらを見ていただくとして、今回お伝えするのは、このソラコム主催イベント「IoT Technology Conference powered by SORACOM if-up 2017」のレポートです。

エンジニア向けのIoTに特化した内容になっており、クラウドのエンジニアや、アプリ、組み込み系まで幅広いメンバーが集まりました。漠然としているIoTではありますが、様々な実証実験など通して、少しずつ全貌が見え始めてきている今日この頃。今回行けなかった皆様にも、感触が伝わればと思います。

今回のイベントは、午前中がキーノート、午後からはランチを取りながら、2トラックのセッションが用意されていました。別の部屋では、キーノート終了後から、実際にSIMを体験したり、今回の目玉サービスである「LoRa」の実演デモも体験できるコーナーが用意されました。

キーノート

午前中のキーノートセッション。こんなに盛り上がるとは思いもしなかったです。その様子をご紹介します。

IoTの未来を語る

キーノートセッションはソラコムの開催挨拶から始まり、いきなり熱いトークが展開されました。今回のイベントタイトルである「if up」。これは、Linuxなどコンソールから、通信インターフェースを有効にするコマンドですが、自分というインターフェースを通して、色々な人たちとコミュニケーションを始める。想いを語っておりました。なかなか熱いです。

続いて、同社CTOである安川氏によるソラコムのサービスを支える通信テクノロジーとそのメソッドを紹介。安定したサービスはもちろんのこと、ユーザー目線でのサービス提供、そしてIoT支えるインフラとしての自信、など内容が盛りだくさん。こんなに話しちゃっていいんですか?くらいの内容でしたが、エンジニアにとって、バックボーンがしっかりしていると言うことは、IoTで様々なサービスを展開する上では欠かせないものであるというとなのだと思います。

普段「組み込み側から見るIoT」が多いワタクシにとっては、今回の「インフラ側から見るIoT」は、とても勉強になりました。

IoTのマトリクスが秀逸

さて、会場が暖まってまもなく、IDCの鳥巣氏によるセッションが始まりました。このセッションは、エンジニアリングというより、テクノロジーの観点で、IoTの解説をされていました。特に、中盤で出てきたスライドに、IoTを10のキーワードで分類した表がありました。非常にうまくまとめられており、技術面だけでなく、ビジネス面からも顧慮すべき課題を提示していたのが印象的でした。

その中で注目を集めていたのが、コグニティブと言われているようなAIテクノロジーとエッジコンピューティングにおける分散処理がこれからもっと広がる分野であるとのことでした。この流れは、どこのベンダーも変わらないとみて良さそうで、ただセンサーのデータを送る時代から一歩進んで、よりインテリジェント化が進むIoTエッジノードが、これからの主流になるのだろうと思います。また、LoRaなどに代表される狭帯域の無線技術も今後さらに増加していくと思います。

まさかの飛び入りに会場が盛り上がるパネルディスカッション

キーノート最後のセッションは、ソラコムの玉川社長によるパネルディスカッションが行われた。パネリストには、アーム株式会社の内海社長、LINE株式会社の砂金氏が登壇。それぞれ、社の紹介や概要などを話をされていたところで、Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏も参入し、会場の盛り上がりはピークを迎えた。

UIとしてのLINEがIoTに向いている

この中で、ワタクシの印象に残ったのは砂金氏のトーク。同氏は、IoTアプリケーションのUIとしてのIという考えを提示していました。LINEの普及率や、使用頻度を考えると、完全にプラットフォーム化していると言える「LINE」。IoTを手っ取り早く実現するには、スマホのアプリを作って使うのがいいかもしれないが、LINEというプラットフォームを利用することで、UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上と、核心部分だけをアプリで構築する方が、IoTのサービスをする側も、サービスを受ける側も、どちらにもメリットがあるということ。

実例の紹介で使い慣れたLINEのトークを使い、花に水やりをすると、LINEに接続されている端末から、実際のスプリンクラーにつながり水やりが実行されていました。「おぉ、自分の子供にお願いするよりよく働くかもしれない」そんなことを思いながら、IoTの形やあるべき姿が垣間見れた貴重な実例でした。LINEでは、今後音声認識などにチャレンジすることも話していました。

好きなことをやり続けること

今回のセッションで、唯一ハードウェアよりの立場で登壇したアームの内海社長。IoTに関わる全てのエンジニアに向けたステキな一言が印象に残っています。

「好きなことをやり続ける」

今は、IoTというキーワード一色かもしれないが、どんな時代にも不変な信条として、心にとどめておきたいものですね。

SORACOM funnelがヤバすぎる

ソラコムは、いくつもの通信サービスを提供しているが、そのどれもが秀逸でした。IoTでは、センサーや機器情報をクラウドにデータを集めるが、ゲートウェイがいろいろなプロトコルに対応していないと、柔軟な構成が取れない。そうなると、ゲートウェイのコストが高くなる。

例えば、データをアマゾンのAWSに集約するとき、HTTPやMQTTといったプロトコルを実装する必要がある。限られたメモリの中でセンサーのデータを重たいプロトコルで転送するのは、エッジノードでは無理がある。最近でこそ、もう少しインテリジェント化しようという動きは進んでいるものの、現時点では処理が重い。

しかし、SORACOM funnelは、この面倒な部分をモデムとして集約し、エッジノードからはシリアル程度のデータをモデムに送ることで、内部のゲートウェイがHTTPやMQTTに対応し、クラウドからの設定でAWSに最適な形でデータを転送してくれる。仕組みは理解しているつもりでも、その運用の簡易さは想像を遙かに超えている。これは便利すぎてやばいです。

IoTの活用事例満載セッション

IoTに関わるエンジニアリングセッションの多さは、初めてではないでしょうか。きれいごとや理想が並びがちなセッションも、今回に限りリアルな現場の声が反映されていたりした。

特に、IoT実証実験を一日で遂行したレポートがあり、想定した作業内容と実際に行った作業内容に差異が生じることは想定していても、現場での設置に時間を要したことや、お店の軒先を使用するので、電源の心配はしていなかったが、実際はコンセントから遠すぎて、USBのモバイルバッテリーを多用しなければならなくなったなど、リアルな声が聞けたのはとてもよかったですね。

また、定員がいっぱいでワタクシは参加できなかったですが、参加した皆さんの声を聴くと「コマツの事例がすごかった」とか「海外のエンジニアによる遠隔操作で実際に海外に配置している機器を操作するデモ」など、多彩な実例で、これからIoTに関わる全てのエンジニアにいい刺激が入ったのではないだろうかと推察できました。

IoT みんなでワクワクしよう

ソラコムは通信会社である一方、これからのIoTサービスをもっと使いやすくするための努力をしている印象を受けた。まだまだ分かっていないサービスがあるかもしれないが、これからも増えてくるかもしれない通信規格に頭を悩ますより、こういったサービスを使うのがいいのかもしれない。

ちなみに、参加者全員に、協賛メーカのボード各種がプレゼントされた。ちなみに、ワタクシは「NXP FRDM-K64」が当たりました。

みなさんも、IoTでわくわくしよう!