バッテリ管理(複数のセルバッテリ)をLTC6811で実現してみた

LTC6811で複数のセルバッテリをモニタリング

車載関連のアプリケーションを中心に、現在脚光を浴びているのがマルチセルバッテリの管理です。複数のセルバッテリを同時に使用するため、セルバッテリごとの個体差が、セルバッテリ寿命の要素に深く関わっており、「個体差」では片付けられないレベルになりつつあります。

そんな時に、使いたいのが「LTC6811」というマルチセル・バッテリ・モニタです。

図図1:マルチセル・バッテリ・モニタ「LTC6811」

最大12個までのセルバッテリをわずか290usの時間で状態を検出し、16ビットΔΣのA/Dコンバータにより0.04%の電圧測定精度を実現しています。また、ISO26262に対応しており、車載をはじめとするアプリケーションにも機能安全をサポートした設計になっています。

マイコンとのI/Fには、絶縁タイプのSPIをサポート。バッテリ回路が故障した場合でも、最大1Mbpsのデータレートを確保しながらマイコン側のSPIネットワークを維持できます。これは極めて重要な安全対策と言えます。また、複数のLTC6811をデイジーチェーン接続で使用すれば、より多くのバッテリのモニタリングが可能です。

図図2:冒頭の動画の中で使用したシステム構成

Quick-Evalも併せて使ってみる

PCで使用する評価用ソフト「Quick-Eval」は、LTC6811の機能が一覧できる構成になっています。

図図3:Quick-Eval LTC6811の画面

特に重要なのが、PEC(Packet Error Code)と呼ばれる符号化を用いて、デバイスと通信しなければいけません。このPECによる符号化がSPI通信時のエラー訂正を担保してくれています。ソフトウェアで構築する場合は、この部分を意識しておくといいでしょう。

LTC6811は、充電回路と組み合わせて使用すれば、特定セルの充放電回路を構成することが可能です。それにより、特定のセル充電容量が減少した場合や、不均一なバッテリ容量の変化となった場合に、全体のバッテリセル容量が均一になるように調整することができ、バッテリ寿命をさらに伸ばすことが可能です。

Linduino

今回使用したマイコンボードは、Linduino(リンデュイーノ)と呼ばれるArduino互換のボードです(図4)。PCと接続することで、LTC6811との通信を行なっています。

図図4:Linduino

ざっくりまとめると

  1. LTC6811にセルバッテリをつないでみた
  2. PCとLTC6811をつないだ
  3. Quick-Evalで、セルバッテリの放電をしてみた