ARM7の時代からARMコアに対応したソリューションを提供。

ソフィアシステムズは、30年にわたって開発ツールを提供してきた実績がある老舗のメーカである。ARMコアには、ARM7の時代から対応してきたので、すでに10年以上の実績を持つ。さらにソフィアシステムズでは、2009年から「KEIL」の日本代理店を担い、2010年5月からはARM社純正開発ツール「RVDS(RealView Development Suite)」に加え、2010年10月からはRVDSの後継となる「DS-5」の取り扱いの開始も予定している。ここでは、ソフィアシステムズの方々にARMコアや各種ツールへの対応について聞いた。

JTAGエミュレータの「EJSCATT」をラインアップ。

ソフィアシステムズは、長らくフルICEを開発・提供してきており、業界で高く評価されてきた。最近は、JTAGエミュレータの「EJSCATT」をラインアップしている。「CPUに合わせたソフトウェアを入れ替えることで汎用的に使えるエミュレータです」とは、開発部 開発1課 課長の大峡 秀樹 氏。USBのバスパワーで動作するため、外付けの電源も不要だ。

エミュレータの機能に加え、フラッシュメモリのライティング機能も備えている。「産業用ロボットに組み込んで、ライン上での自動書き込みに使用しているお客様もいます」(大峡氏)。対応CPUは、ARMをはじめ幅広い。各社のコンパイラやOSにも幅広く対応している。

ARMのCortex-M3などCortex-Mシリーズに対応した専用機もある。「専用化することで汎用機の半分程度の価格になっています」(大峡氏)。今後は、Cortex-A9のマルチコアに対応し、OSと密接に関連したデバッグ環境を提供していくとのことだ。

Sandgateシリーズをベースに「GPS Train Navi」を開発。

さらにソフィアシステムズは、マーベル社製PXAプロセッサ搭載Sandgateシリーズや、フリースケール・セミコンダクタ社製 i.MX51搭載「Collage-MX51」などタッチパネルを搭載したデバイス開発に最適な高機能評価ボードにも力を入れている。

Sandgateシリーズをベースに開発した一例が、近鉄車両エンジニアリングの運転士支援システム「GPS Train Navi」だ。「GPSセンサーで特定した列車の位置を画面表示やLED表示、音声などによって伝えることで、運転士に対して注意を喚起し、安全に運行することを支援するシステムです。バッテリ駆動であり、個々の運転士が列車に持ち込むことで使用できることから、列車の改造が不要です」とは、開発部 開発2課 課長 保坂 一宏 氏。

ソフィアシステムズは、「GPS Train Navi」の筐体設計から量産までを担当した。携帯端末リファレンスプラットフォームの「Sandgate2-P」が、短期間でのシステム構築に貢献したとのことだ。すでに700台を納品しており、さらなる展開も予定されている。また、店内放送システムも開発・製造しており、月あたり1000台程度を納品しているという。これも評価ボードがベースになったものだ。

さらに、Sandgateシリーズに追加するオプションとしてKDDIの通信モジュールやGPSモジュール、また「Collage-MX51」ベースのWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)通信モジュール搭載開発キットなども用意されている。

WiMAXといった通信関連は、開発が難しいものだ。「これら開発キットを使用することにより、短期間で通信機能を持つ製品のプロトタイプを開発することが可能になります。また、このような端末を開発したいといった要件をいただければ、製品化や量産まで請け負うことができます」(保坂氏)。

今後は、FeliCaやMifareといったNFC(Near Field Communication)モジュールへの対応、Windows Embedded Compact 7に対応、ルネサスエレクトロニクスのEMMAモバイル(Cortex-A9 x2、MPCORE)やマーベル次世代プロセッサのプラットフォームなどへの対応も予定している。

デバッガメーカとしての30年にわたる実績が評価。

ソフィアシステムズは、2009年1月から「KEIL」の日本代理店に選ばれ、また2010年5月からはARM社純正開発ツール「RVDS(RealView Development Suite)」の取り扱いもスタートさせている。「KEILの日本代理店に選ばれたことは、ひとえにデバッガメーカとしての30年にわたる実績を評価されたからです」とは、営業推進部 マーケティングG グループリーダー 松本 正博 氏。特にソフィアシステムズでは、Webでのサーチエンジンのヒット率向上、半導体ベンダや販社のチャネルを通じてKEILのツールやRVDSの拡販に努めているという。

さらにソフィアシステムズは、国内ベンダならではの充実のサポートも提供している。「初めはツールのみ欲しいというお客様が多いのですが、ソフィアシステムズがトータルなソリューションを提案できることが分かると、ツールのみならず、ボード試作や受託開発まで相談をされることも多くあります」(松本氏)。

しかも、専門のエンジニアを配置し、年間を通じてサポートを提供しているとのことだ。ハードウエアのエンジニアもいることから、ハードウエアがらみの質問にも対応している。「ソフィアシステムズは長らくICEや評価ボードを提供したり、受託開発することでお客様の現場を知り抜いています。お客様は、受託開発まで引き受けて欲しいと望まれることも多く、それにソフィアシステムズが応えていることが、単なるソフトウェアの代理店と異なるところです」(松本氏)。

RVDSの後継となる「DS-5」の取り扱いも開始。

RVDSの後継となる「DS-5」の取り扱いは既に開始したところだ。「DS-5は、ASICやシステムLSIや、マルチコア、ハイエンドのCortex-A9からローエンドまで、すべてのアーム・プロセッサを対象としている開発環境です」(松本氏)。さらに、LinuxアプリケーションやAndroidアプリケーションの開発を検討しているエンジニアにも注目されている。

KEILではULINKシリーズというICEがあり、RVDSではRealView ICEやRealViewトレースという純正ICEがある。これに加えて評価ボードも用意されており、ツールと含めたセット販売も行われている。KEILでは、Cortex-M0を搭載した評価ボードが提供され、RVDSでは、ASIC、SoC開発向けのVersatile Expressが提供されている。「これらの評価ボードも含めたご提案を行っています」(松本氏)。

ツール類は、多くのユーザから高い評価を得ている。「KEILには、多くのサンプルプログラムが用意されています。はじめてお使いになるお客様でもスムーズに使えるような機能があり好評をいただいています」(松本氏)。

さらに、ソフィアシステムズとARM社のホームページから評価版をダウンロードできる。「評価版の内容を見てから購入されるお客様が多いようです。さらに、価格を抑えたサイズ制限ライセンスや期間限定ライセンスなども用意しています。すでに数百本がダウンロードされています」(松本氏)。

ソフィアシステムズでは、ARMコア対応のICEや評価ボード、さらにはARM社純正ツールの提供においても、30年間蓄えたノウハウを活用している。